道化的役割
キグレサーカスにいた時は
ピエロのマルちゃんという名前で道化師として舞台に立っていた。
幕間に出てきて、芸をつないでいく。

道化師としての演技の技術をきちんと学んだわけではなかったので、
そんなに上手な道化師ではなかったけれど、
その役回りが好きだった。
ロシアで出会った道化師も、辞めていった先輩の道化師も
サーカスというスペクタルに一つの芯のようなものを作っていた。
そんなふうになりたいなと思いながら、
マルちゃんはいつも元気に飛び跳ねて笑っていた。
自分がその前にサーカスのアーチストとして一輪車芸で舞台に立っていたということも
大きい。ほかのアーチストの芸を見ることが好きだったし。
身体を鍛錬せねばできない芸に淡く憧れていた。
サーカスをやめてから、いろんなところにおじゃまさせて頂いて、パフォーマンスしたり、
移動劇場のように舞台をまるごと持って行ったり、劇場でほかのスタッフの方と
舞台を作ったりしてきたけれど、
いろんな人の間に入って、仕事をさせてもらって、
いろんな方に出会い、プロフェッショナルな方々の能力の高さにいつも驚かされ、
不器用者の自分を感じ。
不器用ながらに人と人との間に入ってやってみようと
思い始めた今日この頃。
これからも、
普通の人の間に入って、
あっちへこっちへおじゃまさせてもらいながら、
笑われながら、空間を紡いでいく。
そんな道化的役割を担えたらなんて、ことを
考えながら今日も頑張ろーと思います。
